はじめに

食養の定番の食材といえば玄米があげられます。

玄米を食べれば痩せられる、ガン予防になる、解毒作用がある、
などとメリットが多いのは事実ではありますが、
その半面、消化に良くない、生物毒、残留農薬などのデメリットもあります。

今回は、玄米の栄養、効果、デメリット、選び方などを含め
今一度玄米について振り返ってみようと思います。

 

玄米の構造

玄米2

玄米とは外側を覆っている”もみ殻”を取り除いた状態のお米で、
水に浸けておくと芽が出る生きた状態のお米を言います。

それに比べ白米は、精白し胚乳だけとなったもので
糠や胚芽に含まれた栄養分は取り去られております。

この糠や胚芽の部分には、ビタミン類をはじめとした栄養素が多く含まれており
代表的なものでは、ビタミンB群、ビタミンE、ミネラル、
食物繊維と人間の体に必要な栄養素が詰まっております。

 

資料出典 :
http://shop.plaza.rakuten.co.jp/hokubei-shop/diary/detail/201106150000

 

玄米の栄養と効果について

玄米

玄米と白米の栄養素の違いと
それぞれの栄養素の効能について公開します。

 

資料出典 :
http://www.mainichi-shizentai.com/#!genmai/c1pg2

 

 

 

 

 

玄米と白米の栄養価と効果

単位 : mg

 成分 玄米  白米 効能
 タンパク質  6800  6100
体組織、酵素、ホルモン等の材料、栄養素運搬物質、
エネルギー源として重要
 脂質  2700  900  エネルギー源、細胞構成成分等として重要
 炭水化物  230  88 重要なエネルギー源
 カリウム  9  5  細胞内の浸透圧維持、細胞の活性化維持を担う
 カルシウム  9  5   骨の主要構成要素の一つ
 マグネシウム  110  23 骨の弾力維持、細胞のカリウム濃度調整、細胞核の形態維持とともに
細胞エネルギーを蓄積、消費する時に必須。
 リン  290  24 カルシウムとともに 骨の主要構成要素の一つ
 鉄  2.1  0.8  ヘモグロビンの構成成分として赤血球に偏在。
不足は貧血や組織の活性化低下を引き起こす。
 亜鉛  1.8  1.4  不足は、成長障害、皮膚、粘膜、血球、肝臓などの再生不良や
味覚、嗅覚障害、免疫タンパク質の合成低下
 銅  0.27  0.22 アドレナリンなどの代謝酵素の構成要素として重要
 マンガン  2.05  0.8  ピルビン酸カルボキシラーゼなどの構成要素として
重要マグネシウムが関与する様々な酵素の反応に関与
 ムリブデン  0.12  0.066  酸化還元酵素の補助の原因として働く。
欠乏は頬脈、多呼吸、夜盲症等が起こる
 セレン  0.009  0.004  欠乏は、心筋障害が起こる。
 ケイ素  4.7  0.45  骨、腱、血管、歯、爪などの組織に多く含まれる
 ビタミンE  1.3  0.2  脂肪の過酸化の防止、細胞壁、生体膜の機能維持jに関与
 ビタミンB1  0.41  0.02  糖質、アミノ酸の代謝に不可欠
 ビタミンB2  0.04  0.02  ほとんどの栄養素の代謝に関与
 ナイアシン  6.3  1.2  酸化還元酵素の補助酵素の構成成分として重要
 ビタミン6  0.45  0.12  アミノ酸、神経伝達物質の生成に関与
 葉酸  1.36  0.66  アミノ酸、タンパク質の代謝にに関与
 パテントン酸  1.36  0.66  糖および脂肪酸の代謝における酵素反応に広く関与
 不飽和脂肪酸  1720  520  動脈硬化を防ぐ
 水溶性食物繊維  700  0  消化管機能や腸のぜん動運動の促進、栄養の吸収を緩慢にしたり、
様々な生理作用が知られる
 不溶性食物繊維  2300  500  水溶性食物繊維と同文

 

その他玄米の栄養素と効果

成分 主な効用
フィチン酸 有害物質排出(有害金属類等)、老化防止、脂肪肝の防止、
結石(腎臓・尿路)史跡歯垢の予防、抗がん作用等
イノシトール 脂肪肝・肝硬変の予防、動脈硬化防止、
高コレステロール血症の改善等
γ(ガンマ)オリザノール 高脂血症・自室神経失調症などの予防・改善、
過酸化脂質の生成抑制(細胞の酸化・老化を防ぐ)
GABA 頭痛・認知症・脳梗塞・動脈硬化の予防・改善、血圧上昇抑制、
中性脂肪抑制、肝臓・腎臓機能の改善、アルコール分解効果、
匂い(体臭・口臭、尿臭等)の消臭等
フェルラ酸 がん予防・改善、抗菌作用、認知症改善効果、
メラニン色素の沈着防止(美肌効果)
アラビノキシラン ナチュラル・キラーの活性化、免疫力強化、抗がん・抗エイズ作用
RBA、RBF 抗がん作用、がん細胞成長抑止効果

 

玄米の効果まとめ

 

解毒作用

私たちの知らない間に蓄積している環境ホルモンや農薬、食品添加物など
玄米の胚芽に含まれるフィチン酸によって解毒してくれます。

また玄米は、セシウム、ストロンチウム等の放射性物質を中和し解毒効果があることが知られており、
玄米に含まれるイノシトール、γオリザノールは肝臓の働きを強める効果があるため、
解毒(排毒)効果があるといわれています。

 

ガン予防

玄米には、ガン予防に効果的なフィチン酸、
フェルラ酸、アラビノキシラン、RBA、RBF(Rice Bran A、Rice Bran F)などの
がん予防、抗がん作用、がん細胞成長抑止などの効果があります。

 

老化防止

抗酸化作用のあるビタミンEや
活性酸素を除去する力が強く、抗酸化作用に優れているフェルラ酸、
ナチュラルキラー細胞を活性化させるアラビノキシランが含まれており
老化防止にもつながります。

 

玄米のデメリット

玄米のデメリットについて公開します。
玄米というとメリットの部分しか取り上げられないことが多く
実際にはいくつかの問題点があります。

 

消化に悪い

玄米は白米に比べ消化にはよくないです。
人によっては消化不良をおこしてしまうので、
胃腸がそんなに強くない方は酵素玄米をおすすめします。

 

生体毒あり

玄米は、水につけたら発芽する生きた食べ物であり
自分を守るための生物毒、フィチン酸、アブシジン酸(ABA)が存在します。

フィチン酸は、解毒の作用があると前述しましたが
ミネラルを奪ってしまう作用もあると指摘されています。

ABAは、植物ホルモンでエネルギー代謝に関わる器官であるミトコンドリアが
悪影響を受けることが指摘されていますが、
水に一定時間浸水させて発芽状態にすることや乾煎りすることで抑えることができるようです。

 

残留農薬

玄米は精白米と違い精米を行っていないので
農薬が残留している可能性があります。

できれば農薬を使用してない農法で栽培された玄米をおすすめします。

 

玄米の選び方

 

安心・安全なもの

上記のデメリットでも表記しましたが、
できれば農薬を使っていない安全な玄米を選びましょう。

選ぶポイントは土壌の質が良く、
環境汚染されていない綺麗な水、空気、農薬の使用を抑えて育てられた玄米を選びましょう。

また無農薬、無肥料で自然の力で育てられた自然農栽培の玄米もおすすめです。

 

生産者の顔が見える

玄米そのものではなく、どのような考えで栽培法、肥料などを選んで生産しているか、
その根本姿勢に共感できる生産者から入手しましょう。

ファーマーズマーケットなどにイベントで
生産者とコミュニケーションを行い自分にあった生産者を見つけるのをおすすめします!

またネット通販であれば、
厳選米.comなどの生産者の詳細情報を確認できる通販サイトの利用をおすすめします。

 

美味しい玄米の見分け方

 

光沢が良く綺麗な玄米色

白く濁った”しら”は途中で成熟が止まっている状態のお米なので
砕けやすく粉になってしまいます。

ですので光沢が良く、綺麗な玄米色が出たお米を選びましょう。

 

青米が適度に入っている

玄米は、少し早くに収穫したお米が一番美味しいとされており、
少し早くに収穫したお米の中には青米が含まれています。

青米が混じっているからといって未熟なお米ではなく、
炊きあがりの新米の香りをもたらしてくれます。

 

玄米の保存方法

 

乾燥させない

お米の水分量は食感と保存性に影響され
乾燥時の水分が16%位だと粘りに深みが出て美味しくなるようです。

自宅の保存には。密閉容器に入れて冷蔵庫に保存することをおすすめします。

 

酸化させない

水分が高すぎても美味しさを妨げます。
湿度が高いと表面の脂肪酸が酸化しやすくなり、湿気はカビのもととなります。

ですのでシンク下など湿度が高い所での保管は避けましょう!