はじめに

醤油は、日本の代表的な調味料と言っても過言ではなく
私たちの食生活に親しまれております。

ですが、よく親しんでいる調味料だけあり
醤油の作られ方や種類についてご存じの方は意外に少ないのではないでしょうか?

僕も醤油は身近な調味料すぎて恥ずかしながら
製法、種類についてなどあまり存じていませんでした。

そこで今回は、私たちが親しんでいる醤油とは一体どういうものなのか?
今一度振り返ってみましょう!

 

醤油とは

醤油とは、大豆と小麦と塩を原料として
それらの栄養が発酵により、アミノ酸や有機酸、
ビタミン、ミネラル、酵素、香気成分に変えられた発酵食品です。

発酵による独特のうまみとコク、香りが特徴で
特に芳香には、バニラ、コーヒー、りんご、パイナップル、
もも、バナナなどに含まれている成分が100種類以上含まれ、
幅広い料理になじんでうまみと風味が兼ね揃え、隠し味としても効果を発揮してくれます。

また、醤油に含まれる数百種類の成分は、
胃の働きを改善し、腸の機能を整え、血液循環を良くし、
その他の内臓機能を高め、身体全体の健康度をアップしてくれます。

微生物の働きを巧みに利用した醤油は、
世界にも誇れる洗練された調味料であり
日本人の食の財産と言っても過言ではありません。

 

醤油の種類について

私たちが口にする醤油は、濃口醤油が一般的ですが、
実は醤油には大きく分けて5つの種類があります。

濃口(こいくち)醤油
私たちが口にする一般的な醤油です。
全国の醤油消費量の80%を占め、赤みがかった明るい色で独特の芳香があります。

主に関東地方で発達した醤油です。

 

薄口(うすくち)醤油

関西で生まれた色の薄い醤油です。

薄口と書くと味が薄いと勘違いされるため
淡口と表記されています。

濃口より塩分が2%ほど多く、香りやうまみが少なめ。

素材の色や風味を生かした料理に向いている醤油です。

 

溜まり醤油

濃褐色でとろみがあり、味が濃い独特な醤油です。

原料の大部分が大豆で、味噌の製造工程と共通部分が多く、
アミノ酸が豊富で濃香なうまみがあります。

主に、愛知、三重、。岐阜の東海3県で使われます。

 

再仕込み醤油

山口県で生まれ、別名”甘露醤油”とも呼ばれています。

塩分は少なく、とろみがあり、塩水の変わりに一度作った醤油を使って仕込み、
味、色ともに濃香で主にかけ醤油として使われます。

 

白醤油

愛知県の生産で、淡口よりもさらに色が薄く、
黄金色で塩分が多めです。

味は、淡白で独特の甘みと香りが特徴的です。

色を付けないので主に煮物やめんつゆ、お吸い物などの料理に使われます。

 

地方の醤油について

醤油2

地方で好まれる味や種類が大きく違います。
地方の醤油の特徴について紹介します

関東

農口醤油が好まれます。
秋田県の”しょつる”のような文化もあります。

 

東海

一般料理には農口、さしみには溜まり、煮物には白醤油と使い分けます。

 

北陸

甘みの強い醤油が好まれます。
濃口醤油も色は薄めです。

 

近畿・中国・四国

料理には淡口醤油を使うことが多く
刺し身には濃口醤油や溜まり醤油を使用します。

 

九州

甘みの強い醤油が好まれ、濃口醤油でも、関東よりも色や香りが濃いです。

 

沖縄

甘みの強い醤油が好まれます。
味噌も甘く、刺し身などには醤油の他に甘い味噌を添えて食すこともあります。

 

醤油の選び方

醤油は、できる限り古式製法で、丸大豆しょうゆを選ぶようにしましょう。

現在私たちがスーパーなどで目にする安価なほとんどの醤油は、
大豆油をしぼりとった後のかす(脱脂加工大豆)を主原料とした醤油で
うまみはグルタミン酸ナトリウムで、甘さは甘味料、酸味は酸味料、
香りやととろみは増粘多糖類で、色はカラメル色素でなど添加物が加えられ
日持ちするように保存料を加えられるなど、安全性には乏しい醤油ばかりです。

またこういった醤油に使用される脱脂加工大豆には、
加工される過程において栄養が随分と搾り取られてしまっているため
栄養価としても乏しくなります。

本来、醤油とは添加物、保存料を使用せず、大豆・小麦・食塩のみで一年以上かけてつくられ、
自然発酵により化学ではわからない絶妙なうまみと香りをもたらします。

 

醤油の保存方法

醤油は、必ず冷蔵庫に保存しなければならないということはなく、
直射日光を避け、光の当たらない冷暗所に保存するのが好ましいです。

開封したら醤油差しに移し、残った分を日なた、もちくは冷蔵庫にいれましょう。

表面に白いものが付着することがありますが、
これは、自然のはたらきによって出来た酵母なので害はありません。

長期保存は、風味が落ちてしまうので出来るだけ早い内に使いきりましょう!